25年度第1回鹿児島県陸上記録会最終日（旧スポかごNEWSより）

鐵丸（鹿児島銀行）が１ｍ75・女子走高跳

※旧スポかごNEWSの記事から選りすぐりの記事をピックアップしてお伝えします。

　2025年度第１回鹿児島県陸上記録会最終日は４月20日、鹿児島市の白波スタジアムであった。女子高校・一般走幅跳では県記録保持者の鐵丸美由紀（鹿児島銀行）＝写真＝が１ｍ75のシーズンベストを出した。女子高校・一般二百は下野みのり（BabbinoCompare）が25秒22で制し、三百と合わせて２冠だった。男子同は高松史明（鹿児島銀行）が21秒29で優勝した。

※記録の詳細は下記リンクを参照！

https://gold.jaic.org/jaic/member/kagosima/2025/result/1kai/kyougi.html

「理想の跳躍」への手応え
鐵丸

女子高校・一般走高跳　①鐵丸美由紀（鹿児島銀行）１ｍ75

　社会人７年目のシーズンを迎えた鐵丸にとっては、２月の室内選手権から始まって今季早くも４戦目。シーズンベストとなる１ｍ75を出し「まずまずの出来でした」と明るく振り返った。昨季は両足のアキレス腱のケガに悩まされた分、助走の歩数を２歩縮めて「身体への負担を減らす」跳躍を意識した。「出力」を抑えた状態でも１m75の高さを跳べたことが自信になった。
　一昨年秋の鹿児島国体で１ｍ82を跳んで鹿児島県記録を35年ぶりに塗り替えた。その時は跳べなかったが「85も跳べそうだった」感覚を現実にすべく、24年も競技を継続。だが、昨季は両足のアキレス腱を負傷し、１年間満足なパフォーマンスができなかった。「頭には跳べる感覚があるのに身体がついていかない」もどかしさを感じた。復調した今季は、1年間苦痛にしか感じられなかった82を跳んだ時の「成功体験」が「楽しく思い出せるようになった」と笑顔がのぞく。助走、内傾、踏み切り、空中動作…この日75を跳んだときは「82を跳んだ時に近いものがあった」という。
　全国大会での優勝や、記録更新を目指すこと以上にモチベーションをかきたてているのは「理想の跳躍をしたい」という追求心だ。23年10月の鹿児島国体では、そこに向かうまでの調整もうまくいき、自身のコンディションをピークの状態で迎えられた上に、地元の応援が背中を押して、35年間破られなかったアンタッチャブルレコードを塗り替えることができた。「私の場合は理想を再現できれば記録もついてくる」と分析。「理想の跳躍」を目指す社会人７年目のシーズンは順調なスタートが切れた手応えを確かめられた。

男子高校・一般同　①畝地雄大（鹿児島南高）２ｍ00

　畝地（２ｍ15の県高校記録保持者で今季の全国高校ランキングトップの記録を持つも、２ｍ05を跳べず）「前の記録会では２ｍ10も跳んでいて、調子は悪くなかったがきょうは助走も合わず、気持ちも乗らなかった。昨年はインターハイの後、助走の距離を伸ばしたことでダイナミックな跳躍ができるようになり、目標にしていた２ｍ10以上を跳べるようになった。今季はインターハイにピークを持っていき、２ｍ20以上を跳んで優勝し、周囲の期待に応えたい」

「出来は30点」
高松

男子高校・一般二百　①高松史明（鹿児島銀行）21秒29
　「きのうの百は安田（明桜館高）に負けたので、きょうの二百は山田（加治木高）に勝ちたかった」と高松。県高校トップスプリンターの山田に競り勝って、社会人のメンツを保つことはできたが「勝ったこと以外は全然ダメ。出来は30点ぐらい」と自身の走りについては辛口評価だった。スタートを低い姿勢で飛び出せるのが持ち味だが、百では「高く浮いてしまって」同じくスタートが得意な安田の後塵を拝した。二百はポテンシャルで勝つことはできたが「昨年は－1.3ｍで21秒30、今回は+3.0ｍで21秒29。明らかに力が落ちています」と危機感を募らせる。
　社会人2年目。平日はフルタイムで働き、夕方６時以降1時間半程度の体幹トレーニング、山田のいる加治木高や安田のいる明桜館高、鹿児島南高での練習などで走りを磨く。仕事との両立を図りながら競技に取り組んでいるが「ＳＤも10回中１、2回しかうまく決まらない」もどかしさを感じる。「精度をどうやって上げていくか」が当面の課題である。
　決して恵まれているとはいえない競技環境の中でも上を目指すモチベーションになっているのは「恩返し」の気持ちだ。銀行の面接で「競技を続けたい」という熱心な想いを汲んでくれた部長への感謝の気持ちが走る意欲をかきたてる。目指すは「日本選手権の決勝」であり安田や山田らと一緒に国民スポーツ大会の四継で入賞すること。「きょうのタイムでは話になりませんが」志にブレはない。