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第67回鹿児島県選抜高校野球大会第7日

鹿屋中央、逃げ切る!
出水中央、投手戦を制す

 第67回鹿児島県選抜高校野球大会第7日は5月28日、鹿児島市の平和リース球場で準々決勝2試合があった。鹿屋中央はエース溝淵の力投などで鹿児島城西の追い上げを振り切り、3―2で競り勝った。投手戦となった出水中央―加治木戦は終盤得点を重ねた出水中央が4―1でモノにした。第8日は31日、同球場で準決勝2試合がある。

◇28日の結果 ・準々決勝(平和リース)

鹿屋中央 3-2 鹿児島城西  出水中央 4-1 加治木

◇31日の試合  ・準決勝(平和リース)

10:00 鹿屋中央―神村学園  12:30 鹿児島実―出水中央

得意のスライダーで真っ向勝負!・鹿屋中央・溝淵

 春の鹿児島大会準々決勝の再戦。この時は鹿屋中央が6-1で勝利したが、今回も左腕エース溝淵爽(3年)=写真=の投打に渡る活躍などで接戦を制した。

 初回、溝淵の右前2点適時打など集中打を浴びせて鹿屋中央が3点を幸先良く先取。その後も安打を重ね、毎回のように得点圏に走者を進めるも、4点目が遠い。一方の鹿児島城西も、春と同様に右打者の膝元に食い込む溝淵のスライダーを軸とする投球を攻略できず、序盤3回はパーフェクトに抑えられた。それでも4回裏に初安打が出て、3番・坂口虎太郎(3年)の中前適時打で1点を返す。再三、ピンチを招くも、中間悠莉(3年)、笹田雅孝(3年)、右腕2人を中心に粘り強く守り、追加点を与えない。

 守りで粘るチームには必ず終盤流れが来る。そのセオリー通り、8回裏、鹿児島城西は二死から代打・門松哲平(2年)が中越え二塁打でチャンスメイク。リリーフでマウンドに上がった9番・笹田が左越え二塁打を放ち、自らのバットで1点差に詰め寄った=写真=

 9回裏は一死から3番・坂口、4番・川畑孝太郎主将(3年)、5番・富山晶詞(3年)、3連打で一死満塁とし、一打同点、逆転サヨナラの絶好機を作った。

 「味方が先制してくれたから、最後まで投げ抜くつもりで、腕を振ることだけを考えた」。

 絶体絶命のピンチを迎えて、マウンド上の溝淵は覚悟を決めていた。気を付けるべきは「落ち着いて、投げ急がないこと」(山本信也監督)。投げ急いで高めに浮いたボールをことごとく鹿児島城西打線に連打された。

 やるべきことは得意のスライダーを低めに丁寧に、加えて「ぶつけても良いから強気で投げる」。6番・大内田拓志(3年)を空振り三振。7番の1年生・織田悠楽にはボールを見極められ、フルカウントまで粘られたが、最後は注文通りのスライダーで三ゴロ。「あのカウントで、あのコースに投げられる度胸はさすが」と指揮官に言わしめた最高のボールでピンチを脱した。

 「どうしてもこの試合を勝って神村学園さんとしたかった」と山本監督。今季はまだ一度も対戦していないが一昨年夏の決勝、昨夏の準々決勝で対戦し、いずれも涙をのんだ相手である。昨夏のマウンドを経験している溝淵は「どこまで通用するか、分からないがやるべきことをやるだけ」と意欲を燃やしていた。

加治木、先制も逆転負け!

 出水中央の左腕エース・坂口楓(3年)=写真上=、加治木の右腕エース・宮路勇聖主将(3年)=写真下=、両先発によるテンポの良い投手戦が終盤まで続いた。

 出水中央は序盤から再三走者を出し、得点機を作るが、宮路の力投の前にあと一本が出ない。逆に5回まで無安打に抑えられていた加治木だったが、5回裏二死三塁と得点機を作ると、チーム初安打となった8番・宮路の左前打で先制に成功した。

 7回まで加治木がこの1点を守るロースコアの展開だったが、出水中央は8回表に反撃。中前打、犠打野選、犠打エラーで同点とする。なお満塁として、7回からリリーフのマウンドに上がっていた2年生左腕の6番・竹山滉士朗が右前2点適時打を放って点差を広げた。9回には3番・迫田裕正(3年)の右越え三塁打でダメ押しの4点目を挙げた。  後がなくなった加治木も9回裏に粘りを見せる。二死から4番・古園奏史(2年)が左前打で出塁。エラー、暴投で二三塁と得点機を広げたが、最後の1本が出なかった。

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