
陸上競技を取材していて、ふと疑問に思ったことがあった。ハンマー投、やり投、円盤投、砲丸投、投てき競技の正確な記録測定はどうやっているのかということである。
昔はメジャーを使って人の手で測っていたが、今は専用の機械があり、落下による痕跡のサークルにもっとも近い地点から、サークルの中心をつなぐ線上のサークルの内側までを、メジャー、三角測量、横断見通し測量で測定する。
気になったのは測り方よりも、落下地点をどう正確に見極めているのかである。例えばハンマー投ややり投は明確な痕跡がつきやすいので、比較的分かりやすい。でも円盤などは落ちてから滑っていくことも多く、やりも場合によっては水平に落ちて跳ねていくこともよくある。いつも試技の後は、必ず専門の記録を測る人がペグと呼ばれる道具を落下点に刺して測定しているが、落下点の見極め方はどうしているのだろうか?
競技役員に聞いてみると、最終的には「目視」であり、審判員の主観にゆだねられているという。記録は1㌢単位で出ており、正確な新記録や順位をつけるために、正確な見極めが必要であり責任重大である。いずれは、バレーボールのテレビ中継が入るような大きな大会でアウトか、インか、ライン上かなどは機械で測定しているように、先のサッカーW杯の「三笘の1ミリ」を見極めたように、AIなどを活用した機械測定になる時代が来るのかもしれないと思った。