鹿児島U、痛み分け
ゴール割り切れず
サッカーの2025J3リーグは6月14日、第16節の8試合があった。鹿児島ユナイテッドFC(鹿児島U)は鹿児島市の白波スタジアムでヴァンラーレ八戸と対戦。1―1で引き分けだった。梅雨の風雨に見舞われた中だったが、前半19分にショートCKからMF福田が頭で押し込み、鹿児島Uが先制した。前半終了間際の43分にはFKから同点に追い込まれる。後半は徐々に鹿児島Uがペースを握り、相手が1人退場になったこともあって波状攻撃を仕掛けたが、勝ち越しゴールは奪えなかった。鹿児島Uの通算成績は7勝6分3敗の勝点27で順位は5位。第17節は21日、松本山雅FCとアウエーで対戦する。

「梅雨晴れ」まではもう一歩?
鹿児島U

ジメジメ降り続く梅雨と蒸し暑さがなかなか晴れないもどかしさを感じる一戦だった。鹿児島Uは後半敵陣に攻め込み、相手を圧倒しながらも勝ち越しゴールをこじ開けることができなかった。
先制点は見事だった。右ショートCKからMF吉尾が上げたクロスをファーサイドの福田望久斗が頭で合わせた。まさしく「デザインされた攻撃」と表現したくなる形で「実際は狙った形とは違ったんですが…」(相馬直樹監督、福田)先に主導権を握ることができた。だが逆に前半終了間際に右サイドのFKから頭で合わせられて同点に追いつかれる。常々こういう失点のリスクはつきものだが「あの時間帯、あの形での失点が結果的にもったいなかった」(相馬監督)。
後半、これまでチームの課題だったサイドからの攻撃を中心に八戸を自陣に釘付けにした。後半、ピンチらしいピンチはほぼなかった。時間が経つごとに八戸の足が止まり、鹿児島Uが押し込む展開になるが、肝心のゴールが割れない。八戸は5―4―1とシステムを変更。後ろを厚くしてサイドからの侵入をケアした。一人はがしても、最後のフィニッシュのところに人がいて、崩し切れない。「抜かれても必ず戻り、人任せにしない。自分事でみんながプレーするのが八戸の良さ」と元鹿児島UのGK大西勝俉は言う。
それでも鹿児島Uは最後まであきらめず、サイドから仕掛け続けて、牙城を崩すあと一歩まで迫れていたのは間違いない。福田に代わって左サイドに入った圓道将良は果敢にドリブルで仕掛けて、幾度も好機を演出した。八戸の好守に度々阻まれつつも、あきらめずに仕掛け続けたことが相手の足を止め、焦りを生み、退場者を出した。ラストワンプレー、圓道がクロスを、田中が頭で合わせる。「決まったと思ったんですが…」(圓道)わずかにゴールの枠をとらえていなかった。
決定力不足、得点力不足を解消する特効薬はない。「やろうとしていることを続ける」(圓道)ことをやめなければ、いつか梅雨が明けるようなサッカーになるはずだ。