バスケットボール 管理人 体験レポート PICKUP コラム スポーツ

スペシャル対談・レブナイズは誰のものか?・まとめのコラム

今こそ、「令和維新」のとき
鹿児島は山崎代表の「想い」に応えよう!

 熱い対談だった。鹿児島レブナイズの山崎俊オーナーと鹿児島県バスケットボール協会の鮫島俊秀会長がレブナイズと鹿児島のバスケットの未来について語り合った。当初30分程度の予定で組んでいたが、1時間を軽くオーバーした。いろんなテーマがあったが、底に流れているのは「レブナイズで、バスケットで、鹿児島を元気にして、盛り上げていくためには、どうしたらいいか」を本気で考えているがゆえの熱さである。連載の最終回は今回の対談のコーディネートを務めた「スポかごNEWS」編集長・政(つかさ)純一郎がまとめのコラムを書いた。

イラスト・ぽたろ

レブナイズは誰のものか? 誰が背負っていくのか?

 24―25年シーズン、8年ぶりにB2を戦ったレブナイズは予想を上回る躍進をみせた。西地区で2位となりB1昇格のPOに進んだ。B1昇格は果たせなかったが、多くの県民が「鹿児島ショータイム」が織りなす「熱狂」の渦に巻き込まれた。県体育館では2,000人超え、西原商会アリーナでは3,000人を超える試合が珍しくなくなった。午後1時からの試合開始の試合を見るために、朝の8時から場所取りをしている人たちがいる。人気アーティストのコンサート並みの「熱」が鹿児島にも育っていることを実感できた。

 しかし、今回の対談を通して見えてきたのは、山崎オーナーはこの現状に満足せず、次のフェーズのことを考えている。それは「レブナイズは誰のものか?」「誰が背負っていくのか?」という2つの問いかけに集約される。「鹿児島のもの」「県民のもの」。前者の答えは比較的簡単に出せる。しかし「誰が背負っていくのか?」の問いに明確なものは今回の対談では出せなかった。

山崎オーナーの葛藤

 山崎オーナーの中に「自分は鹿児島の出身ではない」という葛藤を見る。もともと、鹿児島とは縁もゆかりもなく、出身は東京である。IT企業を立ち上げ、ひとかどの成功を成し遂げた次のステージとして「スポーツで地域創生を成し遂げたい」という大いなる野望を持って、21年3月からレブナイズのオーナー会社となった。

 それから4年あまりの間で、レブナイズは右肩上がりの成長を遂げ、売り上げも伸ばし、「県民のエンターテイメント」と呼べるものを作った。バスケットに留まらず、ダッシュキャンプなどの開催で起業家、政治家をも巻き込み、本気で、鹿児島を経済的にも活性化させようという取り組みもやってきた。そのための「先行投資」として約6億円つぎ込んでいることを「ぜひ書いて欲しい」と筆者に話していたこともある。

 鹿児島出身でない自分が、レブナイズと関わるようになり、鹿児島に魅せられて、本気で「鹿児島を何とかしたい」「地域創生」を実現したいと考えている。そのために血を流し、わずか4年あまりの短期間でここまで持ってくることはできた。では次のフェーズに進むことを考えた時に「その旗振り役が自分なのか?」という葛藤である。

 鹿児島のもの、県民のものであるならば、最終的にそれを背負うのは鹿児島県民の誰かであるべきではないか。それは県知事であり、政治家であり、大企業の経営者ではないのか。これが山崎代表の考えである。

「議論」「非難」「決断」

 大切なのは、鮫島会長が言うように「議論」「非難」を経た上での「決断」できる人間が、そろそろ鹿児島の中から出てこないといけないということなのだろう。

 「オール鹿児島で」。このところ県体育館やサッカースタジアムをめぐる議論で必ず出てくるフレーズである。しかし、いかにも安直で、空虚な響きに聞こえるのは私だけだろうか? 県体育館にしても、サッカースタジアムにしても、一体いつから堂々巡りの議論を繰り返しているのだろうか?

 「有識者を交えた検討委員会」「県民からのパブリックコメントを集める」…この20年余りの間で何度も同じことを繰り返してきて、議論はもう出尽くしているではないか。今必要なのは実体のない「オール鹿児島」よりも、体育館、スタジアムを作って鹿児島を活性化させるという明確なビジョンを持ち、決断のできる1人のリーダーである。

稼ぐ力

 塩田康一知事は「稼ぐ力」を県政の柱に掲げている。実際にレブナイズは山崎オーナーが中心となって新たな「稼ぐ力」を示している。サッカーの鹿児島ユナイテッドFCやバレーボールのフラーゴラッド鹿児島、ハンドボールのブルーサクヤ、あるいは野球の「おいどんリーグ」。いろんなスポーツが鹿児島に「稼ぐ力」をもたらそうとしている。そのためのかじ取りをするのは塩田知事の「責務」といえるのではないだろうか?

 別に塩田知事でなくてもいいが、このわずか4年間で示した山崎オーナーが示したものにそろそろ鹿児島は応えなければならない。そうでなければ、鹿児島は明治維新を成し遂げたという過去の先輩たちが作った栄光や、桜島や焼酎、黒牛、黒豚などに代表される自然や、美味しいものという「潜在力」を生かすこともできず、少子化、人口減少の波に飲み込まれ、衰退していく一方なのではないか?

 いつまでも西郷さんの偉業にすがっている鹿児島では未来がない。彼は「命もいらず、名もいらず、官位も、金も要らぬ人は始末に困るものなり。この始末に困る人ならでは艱難を共にして国家の大業はなし得られぬなり」という言葉を残した。そろそろ「我こそは令和維新を起こす」と本気で決断と行動できるリーダーの台頭を期待している。

 オンコートで人々から尊敬を集めるバスケットで日本一を目指し、責任感と決断力のあるリーダーのもと、多くの県民がレブナイズをはじめとするいろんなスポーツに関わり、人生の「彩り」に取り入れることで、幸せな人生を送れる社会が実現する。それこそが日本のどこにもない、鹿児島から起こす令和の革命だ。

-バスケットボール, 管理人 体験レポート, PICKUP, コラム, スポーツ

error: Content is protected !!