鹿児島U、劇的勝利!
終了間際、FWアンジェロッティ勝ち越し弾
サッカーの2025J3リーグは7月21日、第21節の3試合があった。鹿児島ユナイテッドFC(鹿児島U)は鹿児島市の白波スタジアムでFC大阪と対戦。2―1で勝利し、2試合ぶりの白星をモノにした。上位のFC大阪相手に13分、FW河村のゴールで幸先良く先制した鹿児島Uだったが39分に同点に追いつかれる。後半押し気味に試合を進めるも、勝ち越しゴールがなかなか奪えない中で、後半アディショナルタイムのラストワンプレーで途中出場のアンジェロッティが値千金の勝ち越し弾を決めた。鹿児島Uの通算成績は9勝8分4敗の勝点35で順位は4位浮上。第22節は26日、ザスパ群馬とアウエーで対戦する。


攻め続けた姿勢、ラストワンプレーで花開く
どん欲に勝点3をとりにいく姿勢がラストワンプレーで花開いた。終了間際、アンジェロッティの勝ち越し弾で、鹿児島Uは上位・FC大阪から劇的勝利をモノにした。「選手たちの『今の状況を何とか変えたい』という想いが表現された試合」だったと相馬直樹監督は言う。試合前まで、自動昇格圏にいたFC大阪との勝点差は9、前回アウエーでの対戦は0―3で完敗。敗北はもちろん、引き分けに終わっても、勝点差は縮まらない。勝利することだけが自分たちの目指す世界にたどり着く唯一のタスクであると全員が共通認識を持ってピッチに立ち、やるべきこと表現し続けた。
「無駄にボールを捨てることがほとんどなかった」と相馬監督。2枚のFWが最前線から攻守のスイッチを入れ、勇気をもって後ろの選手たちもラインを押し上げ、敵陣でプレーし、攻め続けた。13分に近藤、河村、FW2人の見事なコンビプレーで先制。その後同点に追いつかれたが、その姿勢は最後までブレなかった。FC大阪も前から積極的にプレスをかけてきたが、久々のボランチで先発だった藤村慶太とDF陣が落ち着いて対処し、後半はシュートさえ打たせなかった。
見逃せないのは、自陣で守備して奪ったボールも簡単に前に蹴るのではなく、しっかりつないで運ぼうとした点だ。「自分がこのポジションで起用された意味を考えていた」と藤村は言う。終盤、攻めても、攻めても勝ち越しゴールが生まれず、主審の微妙な判定に会場が度々騒然となる中でも「攻め続けたことで終盤相手の足が止まっていた。選手たちがそれを見逃さず、冷静にプレーしていた」(相馬監督)。その執念が「上に行くためには引き分けではダメ。チームを助けることができて、とてもうれしく思っている」アンジェロッティの勝ち越しゴールを生んだ。
これで3位・FC大阪との勝点差は6となったが、首位・栃木シティーとは未だ9の開きがある。反転攻勢のために「大型連勝」(相馬監督)が必要な状況に変わりはないが、それを可能にするために何をすべきか? この試合の結果に満足せず、更に磨きをかけていくことに、活路を見出していた。
