
7月5日に開幕した夏の高校野球鹿児島大会。26日に神村学園の優勝で閉幕した。神村学園、準優勝のれいめいをはじめ、奄美のチームも含めて「話を聞いてみたい」「書き残しておきたい」と思えるようなシーンが満載だった◆記事などで書きそびれた話題を紹介する。準々決勝の鹿児島工VS鹿児島実戦。休日の試合で会場は多くの人出があった。自転車で球場入りすると鹿工の控え部員が自主的に駐輪場の整理をしていた。そういう目配り、気配り、心配りが、監督・部長の指示でなく自主的にできる野球部員がいることに感心した◆決勝戦、神村学園・今岡主将のファールチップが主審の右腕を直撃した。長く鴨池で野球を見ているが、選手ではなく主審の治療で試合が中断したのを見たのは初めてだった。主審が痛がって悶絶している時、真っ先に駆け付けてコールドスプレーをかけていたのが三塁コーチャーにいた小山琳太選手だった。れいめいのベンチからも選手が出てきて、治療のサポートをしていた。「ファインプレー」だと思った◆1球場で1日2試合の開催、三、五、七回での給水タイムなど、熱中症対策にはかなりのエネルギーを費やしていた。大会を支える裏方の苦労にも頭が下がるものがあった。この球場でひたむきに、真摯に、野球に取り組む高校生たちを見ていると、改めて「わたしたちは彼らに恥じない大人にならないといけない」と、襟を正したい気持ちになった。
