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奄美春秋

 私事で大変恐縮だが、8月13日に妻が天国へと旅立った。14日に通夜、15日に葬儀告別式、お盆の3日間は怒涛の如く、時間が過ぎていった◆2月末にステージ4の癌と判明。元プロバレーボール選手であり、健康優良児を自任し、健康には人一倍気をつかっていただけに、まさしく青天の霹靂な出来事だった。それから171日間、妻は癌に真正面から向き合い、克服しようと最善の努力を傾けていた。筆者や子どもたち、義母、義兄…家族も、それを全力で支え続けた日々だった◆亡くなる前日のこと。呼吸が苦しく、言葉も途切れ途切れだった。水を飲むことさえも、困難な状況だったが、コップの水を一口ストローで飲み干し、万感の想いを込め「ああ、うれしい」と言った。胸に手を当てて「生きてる!」と力強く言い切った。こんな状況になっても、彼女は「生きる」ことにこだわり続けた。子供は小学4年生の息子と2年生の娘。まだまだ生きて、行く末を見届けなければならない。だからこそ、生きたかった。水が飲めることさえも感動であり、生きている証。「生きる」とはこういうことだと妻は教えてくれた◆8月15日は終戦記念日。長く、苦しく、辛かった病と向き合う日々に終わりを告げた。これからは大切な人が旅立った悲しみと向き合いつつも、80年前の大先輩たちが、敗戦の絶望から立ち上がって戦後復興、高度成長を成し遂げたように、未来に向かって力強く歩んでいきたい。

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