出水商、男子団体で3位 個人総合・錦井準V! つり輪で多嘉山V

2025年度全九州高校総体体操は6月15日、鹿児島市の県体育館であった。鹿児島勢は男子団体総合の出水商が3位。同個人総合では錦井大翔(出水商)=写真上=が2位だった。種目別では多嘉山遥人(同)がつり輪で優勝、錦井があん馬、平行棒で2位、つり輪で3位、廣岡将武(同)が跳馬で3位だった。
※成績の詳細は下記サイトを参照!
落ちてから、上がるチーム 出水商

4連覇を目指した出水商だったが結果は3位。それでも松本圭成監督は「経験の少ない選手が多い中で、お互いを信じて、今できる精一杯の演技をしていた」と合格点を与えていた。

県総体では錦井、多嘉山の両エースがNHK杯出場で欠場していたため、インターハイ路線のチーム公式戦は実質今大会がスタートとなる。最初の種目のあん馬でいきなり試練があった。「気持ちの強さ」(松本監督)を買って1番手で起用した2年生の松田、3年生の廣岡が立て続けに落下。流れを作るはずが、マイナスからのスタートになった。それでも「とり」を務めた錦井主将が立て直す。最後の倒立でふらつきかけたが「練習で何回もやっていたのでこらえることができた」。これで勢いづき、残りの種目は大きなミスなくやりきれた。

「力んでしまった」松田真南世だったが、落下は一度で抑え、2種目目のつり輪で立ち直り、「責任種目」の跳馬では高難度のドリックスを決めた。大半の種目でとりを務めることが多かった錦井主将は「経験のある自分がチームを引っ張る意気込みで試合に臨んだ」と終始安定した演技で総合2位と健闘した。

インターハイ5位、佐賀国スポ3位だった昨年のチームからメンバーが大きく入れ替わった。前チームを経験しているのは錦井主将が1人。残りの選手は公式戦の経験自体が少ない。全国で輝かしい実績を残した先輩たちの後を継ぐ。「プレッシャーは相当なものがあるはず。僕だったら逃げ出したくなるかも」(松本監督)のが後を継ぐチームの宿命。今年のチームは実績がない分、「できることを地道に、積み上げていく」がモットーだ。難度の高い技に挑戦するよりも、できる技を確実に実施してチームのために得点を稼ぐ。まだまだ大舞台の経験は不足しているが「誰かのために頑張ろうという団結力」は他に負けないものがあると松本監督は手応えを感じていた。
スタートのあん馬の失敗は痛かったが、そこから団結力を発揮した。「普通のチームは良いスタート切って上がっていくけど、このチームは落ちてから上がっていった」と苦笑していた。