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球夏2025第8日

れいめい・伊藤、シード鹿城西を5安打完封!

【1回戦・加世田ー喜界】7回表加世田無死満塁、4番・宇都が左前適時打を放ち、3点目=鴨池市民

 第107回全国高校野球選手権鹿児島大会第8日は7月12日、鹿児島市の平和リース、鴨池市民、両球場で1回戦4試合があった。1回戦注目の好カードだったれいめいとシード鹿児島城西の対戦は、れいめいの左腕エース・伊藤大晟(3年)が鹿城西打線を散発5安打完封し、勝利した。出水商も接戦をモノにし、頴娃、加世田の南薩勢はコールド勝ちだった。第9日は13日、両球場で2回戦4試合がある。

◇12日の結果

・1回戦(平和リース) 頴娃 7―0 種子島(7回コールド)  れいめい 3―0 鹿児島城西

・1回戦(鴨池市民) 加世田 9―0 喜界(7回コールド)  出水商 6―2 薩南工

◇13日の試合

・2回戦(平和リース) 9:00 神村学園VS鹿屋工  11:30 鹿児島南VS川内商工

・2回戦(鴨池市民) 9:00 尚志館VS武岡台  11:30 鹿児島実VS甲南

島に「希望」を伝えるために・喜界(奄美新聞掲載)

 喜界は昨夏以来、1年ぶりに単独チームで挑んだ。結果は7回コールド負け。昨夏と同じく無安打だった。「打つ、守る、全てにおいてまだまだ通用しない」(星原一慶監督)と思い知らされた。

 7回表だけで一挙7失点。無死一塁から二ゴロを焦って併殺をとれず、野選になったところから崩れた。満塁の場面で、打ち取った打球だったが、遊撃手後方、左翼手・中堅手前方に落ちた。誰が捕球するのか、連携が十分でないためのミスだった。ここから立て続けに連打を浴びて、一気に勝敗が決してしまった。

 終わってみれば無安打のコールド負けだが、6回まで0―2と競った展開に持ち込んだのも事実である。山本虎士朗主将(3年)=写真上=、繁山常久(3年)のバッテリー、中堅手・南村優輝(3年)、先頭打者の宮元球児(2年)は川辺・串木野・薩摩中央・鶴翔・古仁屋と合同を組み、昨秋は初戦突破も経験している。「あの経験はむちゃくちゃ大きかった」と山本主将は言う。

 山本主将は入部以来、夏は単独、秋春は合同チームで試合に出続けた。「経験」を積んだことが勢いになり、地区大会では樟南二に勝利し、単独チームとしての公式戦勝利につながった。  合同チームとなっても「喜界」の名前で試合に出続けるのは「島に希望を伝えたい」(星原監督)の一念である。少子化で子供の数自体が少なくなっている中、輪をかけて野球をやらない子供は増えている。それでも喜界として出続けることで、島で野球をやっている子供たちの希望であり続けたいという意気込みは、この一戦の中でも「示せた」と星原監督は感じている。秋以降1、2年生はまた合同チームに公算が大きいが、山本主将は「合同チームで経験を積み、また来年1年生を集めて、あわよくば勝利できるチームになって欲しい」と後輩たちに想いを託していた。

野球部に戻ってきて良かった!
喜界・角田拓外野手(熱球譜・奄美新聞掲載)

 七回裏二死無走者。星原監督がベンチに1人だけ控えていた3年生の代打を告げた。

 「最後の打者にはなりたくない。みんなともっと野球を続けたい!」

 2つボール球を見送り、3つ続けて振った。1つは当たってファール、あとは空振り。「もうみんなと高校野球ができない」悔しさがあふれた。

 4月の練習中にフライのボールを捕り損ね、鼻を骨折。傷は癒えたが、フェイスガードをしてのベンチ入りだった。ピンチの場面では伝令に走るのが役目。「俺たちならきっと逆転できるから!」とナインを励ました。

 小学校時代に野球経験があり「人数が足りないから」と高校で誘われ1年夏には出場したが、きつさに耐えられず一度部を離れている。

 「また一緒にやらないか?」。2年の冬に同級生の山本虎士朗主将が声を掛けてくれた。部員4人の少人数だが、きつい練習をやっているはずなのに実に楽しそうに見えた。

 再び練習に加わって、最初はきつさで根を上げそうになった。だが、できなかったことができるようになると「やればできるじゃないか!」と仲間が褒めてくれた。それがうれしくて練習を続けるモチベーションになった。

 最後の夏、1勝、1点、九回までやる、いろんなことを仲間たちと叶えたかったが、叶わなかった。負けた悔しさ、途中でやめてしまったことへの後悔…いろんな想いが去来して、なかなか整理できなかったが「野球部に戻ってきて本当に良かった」ことだけは間違いないと確信できた。

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