迫田(武岡)が県中学新・男子三段跳

2025年度鹿児島県中学総体陸上最終日は7月20日、鹿児島市の白波スタジアムであった。男子共通三段跳では迫田大輝(武岡)が14m07を跳び、県中学新記録を樹立した。女子共通砲丸投では弓削りさ(東谷山)が13m56を投げ大会新記録と全国大会標準記録を突破した。このほか、男子3年千五百の初田一心(松元)=写真上=らが標準記録を突破する好記録を出した。標準記録突破者が全国大会(8月17―20日・沖縄)、2位までが九州大会(8月8-10日・鹿児島)に出場する。

想い伝わるレース・初田(松元)
男子3年千五百 ①初田一心(松元)4分06秒23 ②橋口太賀(高山)4分06秒61=以上全国標準突破
男子3年千五百のアナウンスをしていた宮脇征治さん(天城中教)はラストの直線で逆転勝ちした初田の走りを見て「彼の想いが伝わってくるレースだった」と思った。中1まで天城にいた初田は宮脇さんの教え子であり、「宮脇先生は僕に長距離を教えてくれた恩人」と初田は言う。
中1では陸上部がなく吹奏楽部に所属し、スポーツは水泳をやっていた。初田の父親が宮脇さんの後輩であり、体育の授業の動きなどをみて「陸上やってみないか?」と勧めた。中1で県総体の八百で6位入賞し、陸上の楽しさに目覚めた。中2で鹿児島市の松元に転校。環境の変化に慣れず、記録も伸びなくて悩む日々だった。中2の途中から陸上クラブのSCCに入会。3年になってからは、金久や朝日で全国駅伝に出場経験のある前原成明監督が就任。学校での練習も充実して記録が延びるようになった。既に千五百は全国大会出場の標準記録を突破している。ただ未だに県大会の優勝はない。同学年で橋口太賀(高山)という最大のライバルがいるからだ。千五百は1、2年と連覇しており、前日の三千でも優勝。千五百は3連覇がかかっていた。
レースはスタートから初田が積極的に先頭に出て引っ張った。ラスト1周の手前で橋口がスパートをかけて前に出たが、初田も粘り強く食らいつく。ラストの直線で再び抜き返した。ラストスパートには絶対の自信を持っている橋口も「一心のスピードが予想外でかなわなかった」と脱帽する。
初めて県大会を制し、表彰式では、長距離を始めた原点である「徳之島」文字が刻まれたTシャツを着た。「いろんな人にお世話になって今がある。九州では鹿児島代表の名前を背負って走り、全国では決勝に行きたい」と抱負。宮脇さんは「敗れた橋口にとっても良い経験になったと思う。お互い切磋琢磨しながら、これからもレベルアップして欲しい」と「教え子」たちのこれからに期待を寄せていた。
フォトグラフ&動画集

女子共通千五百 ①山口優月希(隼人)4分41秒12 ②中間望央(宮之城)4分42秒90 ③日髙希咲(TTC南種子)4分43秒09

男子共通四百 ①若松瞬(天保山)51秒18 ②上窪玲音(舞鶴) 51秒86

女子2年百 ①村田愛衣紗(ナンバーワンク)12秒71 ②住吉万葉(西紫原)12秒84

男子2年百 ①山岡慶悟(川内北)11秒41 ②冨満千里(野田)11秒44
女子3年百 ①青木乃愛(高尾野)12秒67 ②福﨑心遥(吉野)12秒75