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第55回全国中学校バスケットボール大会第2日

れいめい、鹿純心、初戦で散る!

 第55回全国中学校バスケットボール大会第2日は8月23日、薩摩川内市のサンアリーナせんだい、鹿児島市の西原商会アリーナで男女決勝トーナメント準々決勝までがあった。鹿児島勢は女子のれいめいと鹿児島純心が決勝Tに進出。相模女子(神奈川)と対戦したれいめいは最後の最後まで食らいつくも、42―55で敗れた。鹿純心はメリノール学院(三重)に45―84の大差で敗戦だった。最終日は24日、サンアリーナせんだいで男女決勝までがある。

課題は「徹底力」・れいめい

れいめい 42-55 相模女子

(8-15、16-15、10-14、8-11)

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 日体桜華(東京)、伊那(長野)と連勝し、予選リーグ1位で決勝Tに挑んだれいめいだったが、相模女子の壁に跳ね返された。松田友里香監督は「こちらのやりたいバスケットをことごとく封じられた。相手が一枚も二枚も上手でした」と振り返った。

 れいめい162・5cm、相模女子170cm。スタメン5人の平均身長差7・5cmは想像以上に大きかった。リバウンドは25対38、13の差がついた。12のオフェンスリバウンドをとられている。相手は身長差、リバウンド力を生かして序盤から優位に進めた。常に相手にリードされている苦しい展開だったが、れいめいも最後まで決してあきらめることなく、食らいつき続けた。「1人に頼るのではなく5人全員で協力して守って、攻める」(寺山瑶主将)。スティールは相手より2つ多い6。ターンオーバーの数は相手が8で、2つ多くミスを誘った。足を使い、運動量で勝負するバスケットは全国レベルのチームにも通用する手応えはあった。

 ただ足りなかったのは「徹底力」(松田監督)。前半、寺山、原口の連続3ポイントが決まって20-21と1点差に詰め寄った。後半、「雰囲気がどうしても暗くなりがちだったから、明るい声掛けを意識した。3年生12人でバスケットできるのは今大会が最後。自分が引っ張る強い気持ちがあった」日高亜胡の連続得点などで34-39と5点差にして流れをつかみかけた時間帯もあった。しかし、いずれもその後に相手の力が勝って点差が開いている。背中に届きそうになると、隠していた実力を引き出してくるような底知れぬ強さを感じた。

 決めるべきシュートを決め切る力、最後まで走り切る力…もっと徹底してやらなければ全国を勝ち上がるのは難しい。秋のジュニアウインターカップは再び全国に挑むチャンス。「この大会で出た課題をまたしっかり練習して、次は勝てるチームになりたい」と寺山主将は雪辱を誓っていた。

「本物」のバスケットに挑む・鹿純心

鹿児島純心 45-84 メリノール学院

(9-25、11-20、13-20、12-19)

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 「予選リーグがものすごいプレッシャーでした」と前田孝一監督は苦笑する。13年ぶり3回目となる全中の出場権を得た鹿純心だったが「出場権は自分たちで勝ち取ったものじゃない」という気持ちがぬぐえなかった。九州大会で3位以内に入って出場権を勝ち取ったのではなく、鹿児島1位のれいめいが九州大会で2位になって出場権を勝ち取ってくれたおかげで、開催地枠が自分たちに回ってきた。だからこそ「下手なバスケットは見せられない」(前田監督)プレッシャーがあった。

 だからこそ予選で丸亀西(香川)には敗れたものの、五橋(宮城)に勝ち、決勝T出場を決めたことで、一つの責任を果たせたと思えた。今大会の出場権はいただいたものだが、決勝Tの出場権は正真正銘自分たちで勝ち取ったもの。プレッシャーから解放され「思い切って挑むことができる」清々しさがあった。勝ち負け以上に「本物のバスケットに挑める」ワクワク感があった。

 結果はダブルスコアに近い大差がついた。当然といえば当然のこと。メリノール学院といえば中学バスケット界では全国常連の有名校。対する鹿純心は3年生が中村つむぎ主将と前田藍子の2人しかいない。残り13人は1、2年生のチームである。頑張って守備をして速攻に出ても、簡単なイージーレイアップを落とすなど「ミスが出て当然」(前田監督)と言えるほどの差があった。だからこそ今大会で得た「経験」は「1分、1秒もムダなものはなかった」と言える。「みんなで協力して守備する」ことは全国でも通用したと中村主将は感じた。メリノール学院が相手でもそれが通用したと思えるシーンは何度かあった。

 鹿純心といえば、鹿児島の中学高校で実績のある名門校だが、近年は新興勢力の台頭で最終日の4強に残れないこともある。「1、2年生は来年、自力で全国の出場権をとる。私たちは高校に進学してインターハイやウインターカップを目指す」と中村主将は言う。この全中での経験を「名門・復活」の足掛かりとしたいところだ。

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