
今年の高校野球1年生大会の決勝は神村学園と鹿児島城西の顔合わせ。鹿城西18安打、神村15安打、計32安打、試合時間3時間6分に及んだ乱打戦の末、鹿城西が12年ぶり3回目となる優勝を勝ち取った◆五回までに9―1と圧倒的に鹿城西ペース。15安打を集中し、二回から毎回得点を重ねた。準決勝までならコールドになりそうな展開だったが、グラウンド整備を挟んだ六回から潮目が変わる。六回裏に2点を返した神村は八回に打者12人、3つの四死球を挟んで6安打を集中し、一気に同点に6点を返して同点に追いついた。九回で決着がつかず延長へ。流れは追いついた神村に傾いたかに思われたが、延長十回に1点勝ち越した鹿城西が、その裏の反撃を断ち、勝利した◆両チームの打撃が実によく鍛えられていると感じた。鹿城西の打者が2ストライク追い込まれても、相手の決め球をしっかり打ち返していたのが印象的だった。「どんな投手でも打てるようになるために、左右、変則、いろんなタイプの打撃投手を打つ練習をしてきた」と道端俊輔監督は言う。今春の鹿屋中央戦、夏のれいめい戦、いずれも大会屈指の好投手に持ち味の強打を封じられた教訓をもとに、取り組みを替えたことが活きた◆1年生の大会だが、県大会51連勝中のライバルから勝利したことに意味があると道端監督は言う。神村も敗戦を糧に益々成長するだろう。来春以降、両者がどう成長していくか、注目したい。
