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球夏2026第15日

鹿実、延長10回でサヨナラ勝ち!

【準々決勝・鹿児島実ー大島】延長10回鹿実一死満塁、決勝の右前適時打を放った6番・鶴本(右端)=平和リース

【準々決勝・神村学園ー錦江湾】1回表神村二死二塁、6番・家木が左前適時打を放ち3点目=平和リース

 第108回全国高校野球選手権記念鹿児島大会第15日は7月19日、鹿児島市の平和リース球場で準々決勝2試合があった。第7シード鹿児島実は延長10回で大島にサヨナラ勝ち。第1シード神村学園は錦江湾に13ー0で5回コールド勝ちだった。第16日は20日、同球場で準々決勝2試合がある。

◇19日の結果

・準々決勝(平和リース)

神村学園 13ー0 錦江湾(5回コールド)  鹿児島実 5-4 大島(延長10回)

◇20日の試合

・準々決勝(平和リース)

9:00 鹿児島城西VS国分中央  11:30 尚志館VS川内

攻撃長く、守備短く・神村学園

【準々決勝・神村学園ー錦江湾】3回表神村無死満塁、5番・森友の中前適時打で三走に続いて二走・梶山が生還、5-0とする=平和リース

 打線は10安打で13得点、守備では出した走者は振り逃げと死球の2人のみで無安打、二塁を踏ませず。神村学園が1時間18分のスピードゲームで完勝。「攻撃を長く、守備を短く」(小田大介監督)の理想に近い展開で4強入りを決めた。

 打線は「遅いボールをいかに打つか」がテーマ。110キロから120キロ台の遅いボールは一見打ちやすそうに見えるだけに、打ち気にはやると待ち切れずに「打たされて」打ち上げるなど打ち損じる打球になりがち。しっかりと打てるポイントまで引きつけて、低く鋭い打球を打つ。初回、4番・川崎の2点目の右前適時打や5回の13得点目の右翼線二塁打の打球に象徴されるように、10安打の大半の打球が理想に近い打球だった。

 投手陣は3回戦・鹿児島南戦で好投した2年生左腕・松永=写真上=が3回、エース龍頭が2回を無安打に抑え、守備は無失策とスキを与えなかった。「3回戦の内容が悪かった分、その反省を生かしたところが随所に出ていた」準々決勝だった。

成長と課題、凝縮された一戦・大島(奄美新聞掲載)

【準々決勝・鹿児島実―大島】3回表大島二死二塁、3番・田畑が右前適時打を放ち、3点目=平和リース

 相手は過去の先輩たちが幾度となく涙をのんできた鹿児島実。そんな相手を最後まで苦しめた大島だったが、乗り越えることはできなかった。

 先制し、優位に試合を進めた五回までは、大島の今大会を通じた成長ぶりが随所に出ていた。「このレベルの投手を相手に待っていたら攻略できない。甘い球は初球からでも積極的に打っていった」4番・山田大芽主将が二回の先頭打席で初球から果敢に打ちにいき、右前に弾き返し、チーム全体を勢いづけた。スクイズ、重盗、大技小技を織り交ぜた攻撃で先手をとった。先発左腕・村田は球速の変わらない直球と変化球を駆使して、強打の鹿実打線の狙いを巧みにかわし、五回までを1失点に抑えた。

 課題は、後半、競った展開になってからの試合運び。無安打で同点に追いつかれた六回の守備、八回同点に追いついた後のバント失敗、けん制アウト…攻守とも「普段の練習なら当たり前にできていること」(上野力監督)ができていなかった。

 投げる力、打つ力は「強豪私学にも渡り合える力はつけた」(山田主将)手応えはある。こういう競った勝負をモノにするために必要なのは何だろうか? 「経験を積むこと」だと上野監督は言う。秋春、県選抜、県大会を勝ち抜いた経験の積み重ねがチームを強くするのは間違いない。4年前、準優勝した大島も、その前の代から何代にも渡って積み重ねてきた経験が昇華したものだ。最後に打ち負け、悔し涙を流したことも含めて「良い経験を後輩たちに残せた」(山田主将)のは間違いない。これを生かすことができるかどうか、後輩たちの秋以降にかかっている。

「打」と「足」で魅せる!
大島・村上蓮選手(熱球譜・奄美新聞掲載)

 二回表、先頭の山田主将が右前打を放った。チームの大黒柱が140キロ台の球威に振り負けず、お手本を示したことで気持ちが乗った。180㎝、82キロの見た目通り「強気な打撃が持ち味」で指名打者に起用されているからには燃えないはずはない。140キロ台の直球に、気持ちもスイングスピードも負けることなく、中前に弾き返し、一三塁と好機を広げ、スクイズの先制点をお膳立てした。

 打に続いて足でも強気なプレーを見せた。なおも二死一三塁の追加点の好機。一走・里に盗塁のサインが出た。三走の自分にサインは出ていなかったが、上野監督と目が合い「行けたら、行け!」のベンチの空気を察した。捕手が二塁送球を仕掛けた瞬間、「絶対、セーフになってみせる!」と覚悟を決め、スタートを切り、見事に重盗を成功させた=写真上=。「練習ではよくやっているけど、試合ではなかなか決まらなかった」大技を、ここ一番の大舞台で決めることができた。

 打撃は得意だが、外野の守備に難があり、昨秋まではレギュラーをとれず悶々としていた。代打1打席ぐらいしか役目が回ってこなかった。この春からDH制が採用され、チームで役に立てる場面が増えた。「低く、強い打球を打てるようになれ」という上野監督のメッセージを意気に感じ、ひたすらバットを振り続け、打撃を磨いた。

 元々は島を出て本土の強豪校に進学しようかと思ったが、山田主将たちと「島から甲子園を目指す」大高での高校野球に青春をかけた。DHとして4試合フル出場。「もっともっと打ってチームに貢献したかった」悔しさはあるが「仲間たちと一緒に過ごせて、楽しく、幸せな高校野球だった」と心から思えた。

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