今季最多5得点、無失点で連勝!
鹿児島U

サッカーの2025J3リーグは5月17日、第13節の6試合があった。鹿児島ユナイテッドFC(鹿児島U)は鹿児島市の白波スタジアムで福島ユナイテッドFCと対戦。5―0と今季最多得点、無失点試合で2連勝した。
梅雨の雨模様の中での一戦。前半はスコアレスドローで折り返したが後半、鹿児島Uは攻撃のギアを上げると、66分にFW河村がPKを獲得。これを落ち着いて決めて勢いづく。相手が1人退場したこともあり、数的優位な状況も生かしながら最後まで攻撃の手を緩めず、計5得点で完勝した。
鹿児島Uの通算成績は6勝5分2敗の勝点23で順位は暫定3位に浮上。第14節は31日、FC大阪とアウエーで対戦する。
◇第13節
鹿児島U 5-0 福島
(0-0、5-0)
・得点者【鹿】河村、千布、杉井、武、ンドカ
※試合の詳細はJリーグ公式サイトで!
【公式】鹿児島vs福島の試合結果・データ(明治安田J3リーグ第13節:2025年5月17日):Jリーグ公式サイト(J.LEAGUE.jp)

こんなサッカーが見たかった!
鹿児島U

ハイライト動画はこちらから!
https://www.youtube.com/watch?v=L6XwHwkxrWU
「こんなサッカーが見たかった!」。そんな言葉が思わず口から出た。ホーム戦では第6節以来7試合ぶりの勝利。今季最多の5得点、クリーンシートだった内容も、相馬直樹監督が就任当初から理想に掲げていたサッカーを体現したように思えた。
前半は、独特なボールの動かし方をする福島に合わせてしまって、自分たちで主導権を握る展開に持ち込めなかった。ハーフタイムで修正、狙いどころを絞り、敵陣で奪ったボールをよりスピーディーな展開で攻撃するようになってから、徐々にペースをつかむ。
均衡を破ったのが、FW河村慶人だったことが大量得点劇の「導火線」になった。常に前線からプレスをかける一番手の役割を果たしていた河村。相手のバックパスをチェイスしてミスを誘い、GKと1対1になったところを後ろから倒されPKを獲得。蹴るまでにしばらく間が空き、前節・琉球戦でアンジェロッティがPKを外したことも想起させたが「相手も、味方もいろいろ多分言っていたと思うが、自分のことだけに集中していた」という。「大きく見えた」ゴールに右足で力強くゴールネット右隅を揺らす一撃を突き刺した。「中学でも、高校でもこんな場面でPKを蹴っていたけど、外したことはない」頼もしいストライカーの今季初ゴールだった。
導火線を伝って「爆発」させたのは千布一輝の2点目だ。鹿児島U3年目。昨季まではなかなか出番がなく、「本職」のボランチからCBに「転職」してまでスタメンをつかんだ苦労人の今季初、移籍後初ゴールだった。「苦しい時間が続いていたが、ブレずに自分のやるべきことは、常々やってきた。自分のゴールでチームを勝たせて、サポーターが喜ぶシーンをずっと描いてきた」と語る。
千布、岡崎を中心とする守備陣で3試合ぶりに無失点だったことも意義深い。後半、千布は、通っていたら決定的なピンチになったかもしれない相手の縦のスルーパスを、プレスバックしながらカット。攻撃につなげ、あわや得点機という場面も作った。ボランチで得意としていたプレーで「他のDFとは違うところを見せたかった」と得意げに振り返る。
敵陣でボールを奪い、終始圧倒して勝ち切る。ひょっとすると「チームもこんなサッカーを見せたかったのでは?」との問いに、相馬監督は「むしろ大勝した後の気持ちの緩みが怖い。次の試合は今までで一番厳しく迎えなければいけない」と答えた。勝って甲の緒を締めることまで忘れなかったのも含めて「完勝」と思えた一戦だった。