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25年度鹿児島県高校総体ボクシング最終日

ライト級・尾前、ライトウエルター級・武永
鹿城西2人が頂点

 2025年度鹿児島県高校総体ボクシングは5月16ー18日の3日間、鹿児島市の県補助体育館であった。

 ライト級では尾前周青、ライトウエルター級では武永雄我=写真=、今年で廃部となる鹿児島城西の3年生2人がチャンピオンに輝いた。

 男子のウエルター級、ミドル級をのぞく各階級優勝者が全国大会(7月29日―8月3日・岡山)、男子の2位までと女子の1位が九州大会(6月13-15日・福岡)に出場する。

「最も美しい会話」三島
「悔いなくやれた」永山
「最高に楽しかった一日」宮山(奄美新聞掲載)

 沖永良部にボクシング部が復活して4年目の夏。バンタム級の三島雄生、ライト級の永山裕真、ライトウエルター級の宮山優志、3人の「拳闘士」が県チャンピオンを決める決勝に挑んだが、いずれも判定負けで叶わず。それでも3人の口からは「楽しかった」の第一声が聞かれた。

 「全国大会に出て沖高の名前を全国にとどろかす」と3人は決勝に臨んだ。一番手は3年生の三島=写真上=。最後の判定で勝者が自分でないと分かると思わず悔し涙を流した。相手の戸髙(鹿屋農)とは3度目の対戦。「3度目の正直」を目指し、相手のボクシングをしっかり研究して乾坤一擲の勝負に挑んだ。どちらも下がらず、打ち合うタイプ。決して打ち負けたとは思っていなかっただけに悔しさもひとしおだったが「ボクシングは世界で最も美しい会話方法。島人の魂をぶつける気持ちは出し切れた」と胸を張って言い切った。

 「相手が一枚上手だった」と同じく3年生の永山=写真上=。1Rこそ、相手の間合いを巧みにかわして、上回れた感覚があったが、時間が経つごとに相手ペースにはまる。敗れた悔しさはもちろんあるが、相手の巧さをリスペクトする気持ちもあり、そんな相手と戦えたことで「悔いなくやれた」想いがあった。

 負けた悔しさ以上に、勝者をリスペストする気持ちが強かったのは2年生の宮山=写真上=も同じだった。「お互いに最高に調整して迎えるのがこの舞台」。自分も全力を尽くしたが、体力の消耗が激しく、終盤はマウスピースを思わず吐き出すほど。力の差は見せつけられたが「最高に楽しい一日になった」と思えた。

 「沖高から全国の夢は優志たちに託す」と永山。託された宮山は「自分もまだまだ成長している途中。来年はもっと良いボクシングができるようになる」と拳に誓っていた。

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