原村(出水)、自己ベストでV・男子ハンマー投


2005年度鹿児島県高校総体陸上第1日は5月20日、鹿児島市の白波スタジアムであった。
男子ハンマー投では原村真彩也(出水)=写真上=が自己ベストを2m以上更新する57m97で、2位以下を圧倒した。女子四百の下田星奈(鹿児島南)=写真下=も57秒37の自己ベスト記録だった。第2日は21日、同会場である。各種目6位まで(※女子ハンマー投は4位、男子競歩は5位)が南九州大会(6月12―15日・熊本)に出場する。
※成績の詳細は下記リンクより
https://gold.jaic.org/jaic/member/kagosima/2025/result/kosotai/kyougi.html
「もっと投げられた」・原村

男子ハンマー投 ①原村真彩也(出水)57m97
時折雨模様となるあいにくのコンディションの中だったが、原村の投てきは力強かった。2位以下の選手が40m台で争っている中、ただ一人55m以上を連発。4投目の57m97はそれまでの自己ベスト(55m45)を2m以上上回る好記録だったが「もっともっと投げられたはず」と満足していなかった。
1投目で56m12。ターンをするとき「1回転目で体重をしっかり軸足に乗せられた」手応えがあった。ターンのたびに軸足にしっかりと体重が乗れば、その分遠くまで投げることができる。
最高記録だった4投目は「3回転目の接地がうまくいかなかった」感覚があり、ハンマーは左にそれた。本来は真っ直ぐ真正面にハンマーが上がっていくのが理想。狙った方向ではなかったが「1、2回転目でしっかり軸足に乗れていた」から距離が出た。3回転目の接地までうまくいっていたら、もっと飛距離は伸びていたという手応えがあった。
ハンマー投は技術の取得が難しく、極めるのが難しい種目の一つだが、「面白くてたまらない」という。サークルに入る前、自分の理想の投てきをしようと、各動作をイメージしながら試技に入る。インターハイ出場は当然の目標だが、その先には「60m台を出して入賞したい」と野望を掲げている。
砲丸につながる投てき
福(沖永良部・奄美新聞掲載)

砲丸投を「主戦場」にしている福龍太郎(沖永良部)にとって、ハンマー投は順位以上に「砲丸投につなげる投てき」が目的である。39m98と自己ベストを10m以上更新する投てきで5位入賞して南九州への切符を手にした。
「1投目で良い流れで入れた」と福。36m67と自己ベストを投げ、37m05、38m43と投げるごとに記録が伸びていく。最終6投目は40mを示す白線を揺らしたように見えたが、あと2㎝及ばず。40m台に届かなかったのは「日頃の行いの悪さ、謙虚さがなかったから」と苦笑する。
ハンマー投に取り組むのは、砲丸投にも必要な体幹の強さや肩回りの筋力を鍛えるため。「主戦場」は3日後の大会最終日。ハンマー投のように「1投目でしっかりベストを出し、2、3投目で徐々に記録を伸ばしていく」投てきをして、必達は「自己ベストの13m45以上」、最高は「14m08の県高校歴代10位の記録以上を投げること」と、明確な目標を掲げていた。

男子千五百 ①前田陽向(鹿児島城西)3分55秒18 ②中島陸斗(同)3分55秒33 ③南陽太(鹿児島南)3分55秒60
悔しさバネに成長
孝志瑛(指宿商、喜界中卒・奄美新聞掲載)

4位で南九州大会の切符を手にすると、孝志瑛太はこみ上げる感涙を押さえられなかった。「なかなか成長できなくて苦しんだ。優勝ではなかったけど、南九州にいけたことで、お世話になった人に少しは恩返しができた」喜びの涙だった。
16人で競った男子千五百決勝。南九州の切符を手にするのは6人のみ。レースは序盤から前田、中島の鹿児島城西勢を筆頭に、スローペースの大集団が終盤までなかなか崩れなかった。 スタートからずっと8―10位の位置。コースの内側にいてなかなか前に出ることができない。ラスト一周の勝負になることは誰の目にも明らかだった中、粘り強く食らいつき、前をうかがっていた。
集団が崩れたのは残り300mを過ぎたバックストレートの直線から。「ラストスパートだけに力を絞っていた」孝志が1人、2人と追い抜いていき、200m過ぎで6位以内に入る。目指す優勝には届かなかったが、自己ベストを約4秒縮める3分36秒30の好タイムだった。
双子の弟・煌太は三千障害の選手。兄弟で切磋琢磨しながら健脚を競う。瑛太は昨年の県総体7位で南九州に進めなかった。その悔しさの分も煌太が5位入賞で晴らしてくれたが、自分が行けなかった悔しさ、弟に先を越された悔しさが1年間、努力して成長する原動力になった。「煌太は三千障害で優勝してくれるはず」と瑛太がエールを送る。「南九州は2人で優勝してインターハイに行く」と次の目標を力強く見据えていた。

女子四百 ①下田星奈(鹿児島南)57秒37 ②吉留奏愛(川内商工)57秒85 ③内山陽海(鹿児島)58秒04
下田(自己ベストでの優勝)「素直に嬉しい。後ろから追ってこられている感覚がなく、スタートから良い感じで走れていた。第3コーナーを回った時、外側の7レーンを走っていた吉留さんが前にいたのは想定外だったが、最後の直線でスピードを上げて勝つことができた。この記録ではインターハイで戦えないので、もっと前半から飛ばしていって、後半もバテない走りを追求していきたい」

男子走高跳 ①畝地雄大(鹿児島南)2m05

女子走幅跳 ①中村愛花(鹿児島)5m41

男子四百 ①髙戸漣(明桜館)48秒73 ②平松希叶(鹿児島)49秒41 ③坂元瑛斗(明桜館)49秒57

男子五千競歩 ①田口晃士(鹿児島商)22分10秒66 ②中村颯(松陽)22分30秒24

女子やり投 ①德田仁琴(鹿児島商)41m38 ②宮下璃子(鹿児島女)41m05 ③田淵蒼(出水商)33m64