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奄美春秋

 先日、ある中学校野球部の監督とよもやま話に花が咲いた。一番盛り上がったのは部活動の地域移行の話題だった。

 そもそも中学野球で、地域に移行するための受け皿が存在するのか? 外部指導者はどんな人がふさわしいのか? 教員の負担を減らす働き方改革の一環ということだが、部活動を取り上げたら、生きがいを失う先生だって間違いなくいるのに、そちらへのケアは必要ないのか?…

 日本の教育において部活動が果たしてきた役割は決して小さくない。放課後や休日、試合の時間だけでなく、日常生活の全てで生徒と接しているのが先生たち。自分自身の中学高校時代を振り返っても、今でも覚えていることは部活動での体験が大半を占める。それがなくなってしまった学校の姿を想像することができない。

 「皆さん、あまりに『正解』を求めすぎなんですよ」。陸上のNPO法人SCCの太田敬介さんは言う、少子化や教員の働き方改革などで、部活動というかたちを見直す必要があるのは理解できる。では、具体的にどうすればいいのか? 「地域のクラブに移行する」という大まかな流れは示せていても、地域により、学校により、人により、実情は千差万別である。これが正解というものを性急に求めず、昔ながらの部活動の良さも生かしつつ、現状でできることを試行錯誤しながら取り組んでいく。その先に、新しい日本のスタンダードと呼べる「かたち」ができてくるのではないか。

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