鹿児島U、粘勝!
アクシデント乗り越え、4試合ぶりの勝利

102分間の熱戦
勝ちへの執念、勝利つかむ
鹿児島U
アディショナルタイムは前後半合わせて12分。計102分の熱戦の末に、鹿児島Uは4試合ぶりとなる勝点3を手にした。
ヘナン、稲葉の2人が前半のうちに負傷交代。今季初めてチームの主将、副将3人の4人が初めてスタメンでピッチに立った試合にも関わらず、副将と主将が前半のうちに相次いでピッチを去った。選手・監督として長年サッカーに関わっている相馬直樹監督も「ちょっと経験のない」異様な出来事が相次いだ試合だった。
ピッチ上の選手たちが混乱してもおかしくない状況だったが「交代で入った選手たちが落ち着いてプレーしていたので、冷静になれた」と河村慶人は言う。ヘナンの代わりは藤村が、稲葉の代わりは新加入で初出場のジョアオが担う。今季出場経験のあまりない彼らでも、練習ではスタメンの選手たちと何ら変わらない強度で切磋琢磨している。「誰が出ても同じ強度でサッカーができる」(相馬監督)のは今季ブレずに取り組んできた。
稲葉が負傷し、しばらくピッチ外に出て10人になったことで、むしろ「アラート感」が研ぎ澄まされたのかもしれない。18分、河村がルーズボールの競り合いに勝ち、GKに捕られず、CBと競り合える絶妙な位置にいた青木にスルーパス。CBがボールを収めようとしているところに右足を強引に差し込んで、値千金の技ありゴールを決めた。
「何であの位置に僕がいたのか、正直分からない」と青木義孝は言う。アクシデントに負けず、何が何でも勝点3をとりたい執念だったのだろう。
放ったシュートはわずか3本。「きっちり、きれいに勝てたわけではない」(相馬監督)が、前半戦の終わりに後半戦につながる勝利を得られたことは間違いない。

順位表(※7月5日時点の暫定)
