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球夏2025第3日

大島が完封勝ち! 連合②「連合対決」にコールド勝ち

【1回戦・池田―大島】8回裏大島一死三塁、7番・田畑昴の犠飛で三走・田中が生還し、3点目=平和リース

 第107回全国高校野球選手権鹿児島大会第3日は7月7日、鹿児島市の平和リース、鴨池市民、両球場で1回戦4試合があった。大島は池田に完封勝ちだった。連合同士の対戦は串木野・鶴翔・薩摩中央・串木野・川辺・古仁屋の連合②がコールド勝ち。鹿児島玉龍、国分が接戦をモノにした。 第4日は8日、両球場で1回戦4試合がある。

◇7日の結果

・1回戦(平和リース) 鹿児島玉龍 10―6 樟南二  大島 3―0 池田

・1回戦(鴨池市民) 連合② 13―0 連合①(5回コールド)  国分 7―3 指宿

※連合②=串木野・鶴翔・薩摩中央・串木野・川辺・古仁屋、連合①=志學館・鹿児島修学館・鹿高特支・開陽・山川

◇8日の試合

・1回戦(平和リース) 9:00 鹿児島工VS連合③  11:30 国分中央VS鹿児島

※連合③=大口・鹿第一・蒲生・串良商

・1回戦(鴨池市民) 9:00 ラ・サールVS加治木  11:30 曽於VS指宿商

小人数を言い訳にしない!
樟南二(奄美新聞掲載)

 樟南二は初回、二死一三塁として5番・米田颯心(1年)が中越え2点適時三塁打=写真上=で先制した。2―5回までに6点を失い、逆転されたが6回表、相手のけん制悪送球、8番・福林佑基(3年)の左前2点適時打で計3点を返し、1点差に詰め寄る。その裏再び2点差とされたが、8回表に再び福林の左前適時打で1点差とした。その裏、3失点で点差が開いた。9回は二死から3連続四死球で満塁としたが、反撃もここまでだった。

 3年生5人、2年生1人、1年生6人。樟南二は12人のチームだが「少人数を言い訳にせず、今やれることを常に全力で取り組んできた」と我那覇悟志監督は言う。伝統校・鹿児島玉龍を相手に最後の最後まで食らいつくことができた。

 「先制できたのが大きかった」(我那覇監督)。初回に良い形を作って2点を先取。その裏の守備では併殺を決めることもできた。2回以降は失点が続いて逆転されたが「島のチームらしい『負けてたまるか!』の気持ちと積極的な打撃」(辰濱海静主将・3年)の姿勢が途切れることはなかった。昨秋は部員6人で、助人3人を借りて出場できたが、今春は手助けを得られず出場辞退。冬の間、春以降人数がそろうかどうかの不安を抱えながらの練習だったが、「必ず1年生が入ってきてくれる。練習量を落とさないように頑張ろう!」と辰濱主将が先頭に立って部員たちを引っ張った。人数が少ないと、練習量も落としがちになるが、9人以上の部員がいるのと変わらないメニューをこなした。

 辰濱主将の「予言」通り、6人の1年生が入って、夏は単独出場が叶った上に、強豪相手に最後まで一歩も引けを取らない戦いができた。少人数であることを言い訳にせず、「練習してきたことを出し切ってくれた」(我那覇監督)。 3年生が引退すれば、残る部員は7人。2人以上の助人を借りなければ秋の大会は出場できない。だがそのあたりの事情は部員たちの方が心得ている。樟南二の伝統を引き継ぐためにも「後輩たちを全力でサポートします」と辰濱主将は言い切った。

「負けてたまるか!」の全力投球
樟南二・衛獅心(えい・らいしん)奄美新聞掲載

 「負けてたまるか!」

 マウンド上で意識したのは我那覇悟志監督から常日頃言われ続けた言葉だった。幸先良く先制し、その裏の守備は併殺で切り抜け、上々の立ち上がりだったが、伝統校・鹿児島玉龍の底力の前に逆転を許す。点差は開いても「負けてたまるか!」の精神は揺るがない。

 六回には3番・中村、4番・辰濱主将、頼れる3年生2人が連打で出塁。自分の打席でセーフティースクイズを決められなかったが、やはり同じ3年生の8番・福林が2点適時打でカバーしてくれて「鳥肌が立つほど興奮した」。六回表でマウンドは1年生・米田に譲ったが、七回一死満塁の大ピンチで再びマウンドに呼び戻された。フルカウントから「ど真ん中に直球」を投げたつもりが、左打者の内角に沈む「マッスラ」になってしまったが、スクイズを試みた打者が空振り。その後の挟殺プレーも落ち着いて決めて、無失点で切り抜けた。

 この試合では度々挟殺プレーのシーンがあったが、ミスはなかった。「練習してきましたから」と胸を張る。人数は少ないチームだが、練習の強度を落とすことはなかった。地区大会はエラーが続出した反省で、我那覇監督が連日居残りノックを打ってくれた。その成果も試合中に出すことができた。一度マウンドを降りてから、再登板で計111球、被安打13で敗戦投手となったが「3年間で、一番良い投球ができた」手応えがあった。

エース田中が投打で活躍
大島(奄美新聞掲載)

 大島のエース田中誇生(3年)が、投げては7回まで被安打3の力投。打では先制の2点適時打を放ち、8回の先頭打者で二塁打を放ち、3点目のホームを踏む。投・打・走、フル回転の活躍で勝利に貢献した。

 「3年間、夏秋の甲子園につながる県大会では初戦敗退が続いていた。ようやく1つ勝ててホッとしている」と安堵の表情を浮かべた。3回の先制機では「バットを振り込んできた自信があったから、思い切り打てた」と先制の中前2点適時打を放った。

 マウンドでは丁寧に低目を突くことを意識。打者に背中を見せるようにして立つ独特のフォームから身体をねじって、勢いをつける。外角低めを生命線とした緩急の出し入れが絶妙で池田打線に付け入るスキを与えなかった。  惜しむらくは「8回の先頭打者に死球を当てて、降板したこと」。2年生の元山匠和澄が頼りになり、後続を抑えてくれたが、「次の試合では自分が最後までマウンドに立って、チームの勝利に貢献したい」と気持ちを次戦に切り替えていた。

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