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球夏2025第9日

尚志館、鹿児島南、延長サヨナラ勝ち!

【2回戦・鹿児島南ー川内商工】6回表川内商工二死一三塁、5番・岩下の右翼線二塁打で一走・博井も生還、3-1と勝ち越す=平和リース

 第107回全国高校野球選手権鹿児島大会第9日は7月14日、鹿児島市の平和リース、鴨池市民、両球場で2回戦4試合があった。尚志館は8回裏に同点に追いつき、延長10回で武岡台にサヨナラ勝ち。鹿児島南も9回裏に2点差を追いつき、延長10回でサヨナラ勝ちだった。神村学園、鹿児島実のシード勢はコールド勝ちで3回戦に勝ち進んだ。第10日は15日、両球場で2回戦4試合がある。

◇14日の結果

・1回戦(平和リース)

神村学園 7-0 鹿屋工(7回コールド)  鹿児島南 6-5 川内商工(延長10回)

・1回戦(鴨池市民)

尚志館 4-3 武岡台(延長10回)  鹿児島実 10-0 甲南(6回コールド)

◇15日の試合

・2回戦(平和リース) 9:00 連合②VS国分  11:30 加治木VS指宿商

※連合②=串木野・鶴翔・薩摩中央・串木野・川辺・古仁屋

・2回戦(鴨池市民) 9:00 大島VS鹿児島玉龍  11:30 鹿児島VS鹿児島工

収穫と課題の初戦・神村学園

【2回戦・神村学園―鹿屋工】7回裏神村二死二三塁、4番・梶山の左前適時打で二走・入耒田が生還、7―0としてコールド勝ちを決める=平和リース

 大会9日目にして、第1シード神村学園が登場。投打に力強さを発揮してコールド勝ちしたが、小田大介監督は「収穫と課題の残った初戦」だったと振り返る。

 「収穫」は何といっても守備面。エース早瀬朔(3年)=写真上=が先発し、7回を2安打完封。初回に2安打されて一死一三塁とピンチを招くも、併殺で切り抜けて以降は、常速140キロ台の直球と変化球を丁寧に低めに集め、2回以降は無安打。得点の気配を与えない守備も光った。「課題」は打線。1回は4安打で3点、2回は3安打で2点と一気に寄り切りそうな雰囲気だったが、3―6回は無安打。「積極的な打撃と早打ちは意味が違う」と小田監督。幸先良く先制できた分、心にスキが生じ、ボールを見極めず高めを早打ちして打ち上げて飛球アウトが相次いだ。今夏のテーマは「継打一心」。心を一つにして低い打球でつなぐことを心掛ける。それができた1、2、7回は得点できたが、できなかった3―6回の無得点の攻撃が次戦以降の反省点だ。

 神村学園の小山琳太(3年)=写真上=のベンチの場所が変わっているのが目を引いた。昨夏は「ベンチを盛り上げる男」として2年生ながら背番号19をつけ、小田監督の真横に立ち、的確な声出しでチームを支えていた。3年生になったこの夏の初戦は、監督と反対側、塩田将孝部長の横に立っていて、ベンチスタートだったが背番号は3になっていた。

 「いつもはベンチの真ん中が定位置なんですが…」と小山。大事な初戦は明け方まで降った雨のため開始時間が1時間ほど遅れた。グラウンドの土も緩く、外野は風の影響を受けそう。「内外野に一番声の通る場所」で塩田部長の隣を選んだ。

 攻撃時は三塁ランナーコーチに「昇格」。走者を回すか、止めるか、得点につながる大事な仕事を任された。7回表二死二三塁、4番・梶山侑孜(2年)の打球は鋭く速いスピードで三遊間を抜けた。二走・入耒田華月(3年)にどう指示するか、判断が求められたが「入耒田のスタートが良く、最短ルートで走っていたので思い切って回した」。左翼からジャスト返球が返ってきて、クロスプレーとなったが、判定はセーフ。コールド勝ちを決めた。思い返すのは1年前の夏、甲子園準決勝で関東一高と対戦した時、最後のクロスプレーがアウトになって敗れたシーンだ。「三塁コーチは0・1秒の判断が求められる」と痛感した。今年はベンチを盛り上げるだけでなく、慎重かつ、大胆さが求められるポジションの重責も担うほど成長したということだ。

投手戦から点の取り合い、最後の結末は…・鹿児島南VS川内商工

 序盤は鹿児島南・中村航大(3年)、川内商工・渡邊秀太(2年)。両先発を軸に投手戦となり、1点を争う緊迫した展開だった。鹿児島南が初回、押出しで先制したが、2回以降5回までは両者無得点が続いた。

 流れが変わったのはグラウンド整備明けの6回表。川内商工は二死から四球を足掛かりに3連打を浴びせ、4番・博井疾風(3年)の左前適時打、5番・岩下留比人(2年)の右翼線二塁打で3点を挙げて逆転に成功する。

 前半の投手戦から一転して、後半は点の取り合いとなった。鹿児島南は7回裏、押出しとエラーで2点を返し、同点に追いつく。川内商工は8回に5番・岩下の犠飛、9回は3番・鳥井原涼太(2年)のスクイズで2点を勝ち越す。後がなくなった鹿児島南だが9回裏、2番・小塲田淳(2年)、3番・赤﨑球真(3年)の連続二塁打で瞬く間に同点に追いつく。なおも二死満塁と好機は続いたが生かせず、勝負はタイブレークの延長にもつれた。

 10回表、鹿児島南は好守もあって無失点で切り抜ける。その裏の攻撃では犠打が決まって二三塁となり、申告敬遠で一死満塁となる。2番・小塲田が死球、押出しで2時間31分の熱戦にピリオドを打った。

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