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第67回鹿児島県選抜高校野球大会第2日

鶴丸辛勝、タイブレーク延長を制す!

【1回戦・鹿児島情報―隼人工】2回裏鹿情報二死二塁、2番・淺松の右前適時打で二走・迫が先制のホームを踏む。

 第67回鹿児島県選抜高校野球大会第2日は5月19日、鹿児島市の平和リース、鴨池市民、両球場で1回戦6試合があった。

 鶴丸は鹿児島南とのタイブレーク延長に及んだ混戦を12ー10で制した。れいめいは川内との同郷対決に完封勝ち。このほか、武岡台、鹿児島城西、鹿児島情報、加治木が2回戦に勝ち進んだ。

 第3日は20日、市民球場で2回戦3試合がある。

◇19日の結果

・1回戦(平和リース)

鹿児島情報4-1隼人工  加治木6-3鹿児島中央  鶴丸12-10鹿児島南(延長10回)

・1回戦(鴨池市民)

武岡台6-5錦江湾  鹿児島城西6-3徳之島  れいめい6-0川内

◇20日の試合

・2回戦(鴨池市民)

鹿児島城西―武岡台  尚志館ー鹿屋農  鹿児島ー神村学園

昨秋のリベンジ、成長の跡を示す・鹿児島情報

 昨秋の鹿児島大会3回戦で対戦した時は、5対1で隼人工が快勝し、8強入りを果たした。「組み合わせで隼人工との対戦が決まった時から、ずっとリベンジすることだけを意識していた」と鹿児島情報の水口直人主将(3年)=写真=。今回は、完封こそ逃したものの、終始主導権を握って4対1で勝利し、見事雪辱を果たした。

 「自分たちが昨秋からどのくらい成長したのか、計るのに絶好の相手だぞ!」。福元一樹監督はそんな言葉で、試合前も送り出したという。隼人工のエース浅井聖(3年)は制球の良い投手。追い込まれてしまえば、打ち気を巧みに反らす変化球で打ちとられてしまう。初球、もしくはファーストストライクを積極的に打つ意識をチームで徹底した。

 2回に8番・淺松幸宏(3年)の右前適時打で先制し、5回は4番・小林嗣仁(3年)の中前適時打などで2点を中押し、7回は6番・上迫夏音(2年)の左前適時打=写真=でダメ押しと、効率よく得点を重ねた。浅井が投げた7イニングは毎回の11安打を放ち、うち8安打は初球、もしくはファーストストライクを打ったもの。試合時間わずか1時間34分だったのも、いかに効率良く試合を進めたかを物語る。

 「以前は、先制してもなかなか追加点をとれなかったが、それができるようになった」と水口主将。「勝つことだけを意識して投げ続けた」マウンドでも、丁寧に打たせてとる投球を心掛け、6、7、9回と終盤大きなピンチを背負ったが、バックの好守にも助けられ、1失点で切り抜けた。  「これで自信をつけて、勝ち上がっていくきっかけにしてくれれば」と福元監督も期待を寄せる勝ち方ができた。

「成り上がる」ために必要なことは?・徳之島(奄美新聞掲載)

 昨秋はれいめい、今春は樟南、強豪私学にコールド負けだった徳之島。今大会では、同じく強豪私学の鹿児島城西を相手に、9回まで渡り合うことはできた。

 初回、4四球押出しで先制され、裏の攻撃も簡単に二死。3番・嶋田雄心(2年)が初安打で粘って4番・白坂心之丞主将(3年)が打席に立つ。流れが悪かっただけに「何とかつなげていくしかないと必死だった」と1ボール1ストライクからの内角高めを強振。「こすった感じだったのでレフトに捕られるか」と思ったが、左翼席に飛び込む逆転2ランとなった=写真=

 3回まではリードできた。3回裏、一死から1番・竹下遼(2年)が三塁打を放ち、一気に勢いづくが、スクイズ失敗で好機を逸す。4回表は無死満塁から併殺を狙ったプレーが悪送球となり、畳みかけられ4失点で逆転された。5回以降は守備で踏ん張れたが、攻撃につなげることができなかった。

 「秋、春に比べれば成長しているのは間違いない」(地頭所眞人監督)が「夏に成り上がっていくためには、まだまだやることだらけです」と白坂主将。惜敗だったとはいえ、まだまだやらなくていい無駄な失点が多い。攻撃でも、力強さ、うまさを備えた選手がもっともっと出てこなければ、強豪私学と「良い勝負」はできても「勝ち切る」ことはできない。  試合後、選手たちの表情から「まだまだやれる。勝ち切れたはずだという悔しさ」を地頭所監督は読み取った。残り約1カ月半。決して楽な挑戦ではないが「楽しみしかないですよ」と白坂主将は力強く言い切った。

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