
先日、今年度から始まった奄美の小規模高校の遠隔授業を取材した。実際の授業の現場に立ち会っていると、30数年ぶりに高校生に戻って、授業を受けているような感じがして、楽しかった。
リモートによる遠隔授業は、対面の授業では得られないメリットも多い。教師から生徒への一方通行でなく、生徒からのリクエストも受けながら双方向でコミュニケーションしながら授業が成り立っているのが、最も興味深かった。30数年前、自分たちが高校生だった頃は考えられなかった技術の進化を実感できた。
思い返せば、対面の授業だと、分からないことがあっても直接先生に手を挙げて質問するのに、ためらった経験は誰にもあるのではないか。筆者は割と先生に質問するのが好きで、記者会見でも真っ先に手を挙げる方だが、誰かが質問するまで周囲を伺い、手を挙げるまで手を上げない人は意外に多い気がする。日本人的な特徴なのか定かでないが、人前で何か分からないことを尋ねるのは気恥ずかしさを感じるものなのかもしれない。その点、遠隔授業では、専用シートに質問事項を書き込む欄があり、多くの生徒が自分の感想、質問を積極的に書き込んでいた。
遠隔授業には本土と離島との距離を克服する可能性を感じた。この頃の学校現場は、何かとネガティブな情報が多いイメージだが、コロナを契機にいろんなICT技術を積極的に導入し、新しい教育の可能性を模索しているのが伝わってきた。