国分中央、尚志館、シード校に競り勝つ!

【3回戦・鹿児島商ー尚志館】9回表鹿商二死二三塁、5番・馬場の左前適時打で三走に続いて二走・佐藤が本塁を狙うも好返球でタッチアウト。捕手・峰=スミゼイパーク
第108回全国高校野球選手権鹿児島大会第14日は7月18日、鹿児島市の平和リース、スミゼイパークの両球場で3回戦4試合があった。国分中央は第3シード樟南に、尚志館は第5シード鹿児島商にどちらも1点差で競り勝った。鹿児島城西はれいめいに、第4シード川内は武岡台にいずれも1―0で勝利し、8強に名乗りを挙げた。第15日は19日、平和リース球場で準々決勝2試合がある。
◇18日の結果
・3回戦(平和リース)
国分中央 4-3 樟南 鹿児島城西 1-0 れいめい
・3回戦(スミゼイパーク)
尚志館 5-4 鹿児島商 川内 1-0 武岡台
◇19日の試合
・準々決勝(平和リース)
9:00 神村学園VS錦江湾 11:30 鹿児島実VS大島
8強かけ、親子対決
互いのチームの勝利に全力を尽くす
川内・吉田勝主将・武岡台・吉田公一監督

川内・吉田勝(かつ)主将=写真右=は武岡台・吉田公一監督=写真左=の三男。8強入りをかけた真剣勝負で「親子対決」が実現した。
「『親子』でなく、武岡台と川内の勝負をしよう!」
試合前に公一監督が勝主将に送ったメッセージ。お互いのことよりも、それぞれのチームの勝利だけを考えて真剣勝負しようと誓った。試合中、お互いの存在を視界に入れることなく、勝負に徹した。
七回まで互いに無得点、安打数は5、失策は0、互いにがっぷり四つの好勝負だった。八回表、川内が二死二塁と好機を作る。「4番・堀之内でなく、5番・勝で勝負するか?」。公一監督は迷ったが、指示は出さなかった。堀之内の中前適時打が終わってみれば決勝打になった。「初回の好機に打てなかったから、絶対に打ちたかった」勝は執念の中前打で好機を広げる。ベース上でガッツポーズして吠えた。終盤で大きな流れを確実に手繰り寄せた。最後まで気は抜けなかったが、ウイニングボールは右翼の勝主将ががっちり捕って締めくくった。「苦しい試合だったけど、4番が打って、投手が抑えて、全員で守って、うちらしい野球ができた」のが誇らしかった。
父が高校野球の監督、兄2人も野球をやっていたから、野球をやるのは必然だった。中学時代、一緒に野球をやった薩摩川内ボーイズのメンバーと甲子園を目指したくて、川内に越境入学。寮生活をしているので、父と直接会うのは春の県大会以来だった。春の大会は公一監督にとっても転機になった。公立校の監督をしてなかなか勝てずに悩んでいた。勝が主将の川内が準優勝した姿を見て「公立高校でもやればできる」と勇気づけられ、夏に向けてチームを仕上げるエネルギーになった。
振り返ってみれば息子は「堂々として落ち着いていて淡々のプレーをしていた」と感じた。これから甲子園を目指し、8強以上の猛者に挑む勝主将は「これまで勝ってきたチームの想いも背負って、勝ち続けたい」と改めて誓っていた。
エース中心に粘り強く守り抜く!・尚志館

被安打15を浴びた尚志館だったが、1点差で第5シード鹿児島商に競り勝った。「エース倉富を中心に粘り強く、よく守ってくれた」と鮎川隆憲監督は勝因を語った。
3回をのぞけば毎回安打、毎回のように得点圏に走者を背負う苦しい投球だったが、「捕手の峰を信じて、要所では強気のインコース攻めで抑えることができた」とエース倉冨駿=写真=。最大のヤマ場は3点差で迎えた9回表の鹿商の攻撃。一死から死球、連打を浴びて満塁と一打同点、逆転のピンチで4番・庭月野を迎えた場面だ。これまで4打席凡退で抑えていたとはいえ、これまでここぞという場面で打ってきた4番に一打が出れば、間違いなく大きな流れが鹿商に傾く。
だが倉富はここでも強気の内角勝負で攻めた。一二塁間を抜けそうな当たりだったが、一塁手・野嶽がダイビングキャッチ。1点は失ったが、2つ目のアウトを取ることができた。5番・馬場には左前適時打を浴び、1点差となったが、左翼手・池田瑛、三塁手・内村が落ち着いた連携プレーで二走を本塁アウト。劇的な幕切れとなった。=写真下=

自身の力投に加えて、バックの堅守に助けられた。「朝練習からみんなで地道に練習してきたことがこういう場面で生きた」と倉富は感じた。振り返れば、昨秋は徳之島相手に初回で4点を畳みかけながら追いつかれ、延長戦で敗れた苦い経験がある。5回に幸先良く4点を先取したが「徳之島戦を思い出せ!」と選手同士で声を掛け合い、油断なく後半戦も戦えた。案の定1点差まで詰められたが、最後の勝利を守りでつかむことができた。 昨秋と同じ8強に並んだ尚志館。「秋を超える」(鮎川監督)4強を目指して、まずは次の第4シード川内戦に全力を注ぐ。