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奄美春秋

※管理人が奄美新聞に書いたコラムです。

 先日、5月17日から始まる第67回鹿児島県選抜高校野球大会の組み合わせが発表された。先の春の県大会で上位の成績を残したチームを中心に28チームが出場する。「県選抜大会」といってもピンとこない人が多いかもしれない。昨年までは「NHK旗」の冠がついていた大会だ。

 公共放送のNHKにも高校野球大会の冠を維持できない経済的、会社的事情があるのだろう。ちなみにNHK「旗」であって、「杯」ではない。この大会を「NHK杯」と呼ぶ人がかなりいる。フィギュアスケート、体操、競馬などのメジャーな大会に、その冠がついているのでごっちゃになっている人が多いのではと推測する。どうでもいいことかもしれないが言葉を生業にしているとついこだわってしまう。優勝チームに授与されるのは「旗」であって「杯」ではない。

 ところで、高校野球大会の冠はメディア企業しかなれないのはご存じだろうか? 他の競技なら、Jリーグに「ルヴァンカップ」という大会があるように、小中高校いずれのカテゴリーでも、インターハイなどのメジャー大会を除けば民間企業が冠につく大会は珍しくない。

 高校野球の商業利用を禁じた高野連のアマチュア精神に基づくものと思われるが、逆にメディア企業のみ冠につけるのは、矛盾していないか。朝日新聞が夏、毎日新聞が春の高校野球を主催し、新聞の販売拡張に利用したことを覆い隠してきた歴史の歪みではないかと、つい邪推してしまう。

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